平成9年度長岡市地域産業技術開発事業
鋳造用木型の設計、製作用のマニュアル
(CADソフト開発のための準備)開発事業 |
現状および概要
木型作りにおける現状は、一部を除いて(自動車部品、精密鋳造品等)ほとんどが手作業であり、刃物の研ぎ方から木材の使い方にいたるまで木型職人と認められるには5年から10年かかると言われている。また、若い世代の木型職人も少なく、木型業界の高齢化もかなり深刻化している。
近年はコンピューターの飛躍的な進歩にともない、高性能で低価格なCAD/CAMなどが登場しモデル製作や現物木型(鋳造品そのままの形状の木型)の分野では珍しくはなくなり、かなり一般的にCAD/CAMを使っての木型製作が行われている。そのようなことから、今回の開発事業は現物木型の製作は除外する。
鋳造用木型の製作には鋳造プロセスの違いによってその製作方法が左右される。現物木型の製作以外に、湯口や湯道、セキ、押し湯などの鋳造方案や、定盤、造形枠と言ったさまざまな付属木型部品の製作が必要となる。場合によっては現物木型の製作よりも難しく、製作工数のかかるものもある。また、それらの付属木型部品は鋳造業者によってさまざまな形状、取付け方などがありしかも、同一プロセスで鋳造している業者でも、それらは様々である。
以上のことから今回は、鋳造プロセスを無枠式と呼ばれるフラン樹脂を使った自硬性プロセス(砂型造形時に造形枠を抜き取る方式)と、自動造形機プロセス(生砂を圧力をかけて固める方式)を取り上げてみた。(前者は小、中量生産向けで、後者は、小物量産向けに多く使用されるものである。)
木型CADとして期待するものは、鋳造業者から依頼される鋳造方案や、独自の製造方法(ノウハウ)を簡単に取り入れ、短時間で木型設計図面が製図できるものが必要であり、しかも必要とされる付属木型部品をいくつかピックアップし、標準部品として図面に取り入れられれば木型CADとしてはかなり重要性がでてくるものと考えられる。 |
研究、製作内容
(1)木型設計図の自動製図(木型CAD)
標準的と思われる鋳造方案と造形枠等を考え図面化し、そして個々の寸法を別の寸法入力表を用いて入力し、付属木型部品も木型部品表から選択、入力すると木型製作図面が自動作図されるものを想定。
(2)付属木型部品の製作
標準的と思われる木型部品を押湯、湯口、合わせダボの3種類に設定し、製作する。そして複製品を作りやすくするために、樹脂反転型を製作した。樹脂に関しては今回詳しく取り上げてないが、木材、アルミ材に変わるものとして、木型材料に広く使われている。 |
 |
(3)自硬性プロセス用木型の製作
仮想木型CADとして寸法入力表、付属木型部品表を使い、木型設計図および自硬性プロセス用木型を製作する。
(4)自動造形機プロセス用木型の製作
仮想木型CADとして寸法入力表、付属木型部品表を使い、木型設計図および自動造形機プロセス用木型を製作する。
(5)試作鋳造品の製作
できあがった木型を使用し、鋳造業者に協力してもらい、実際に鋳造品を製作する。 |
成果、問題点、今後の課題
木型CAD開発の準備として、マニュアルを作り、仮想木型CADを想定し、試作鋳造品まで製作することができた。
実際に木型CADが完成すれば、短納期、低コストに大きく活用できるばかりでなく、CADCAM化、インターネットでのデータ通信といった業界では遅れがちだった“コンピュータ化”にも近づくものと思われる。
問題点としては、鋳造業者のノウハウは多種多様であり、これに対応すべくソフトの開発が不可欠である。また、現在市販されているCADソフトでこれに対応するには難しく、これに対する開発費用は1000万円からの経費が掛かるものと思われる。しかし、これからの高齢化問題や、低コスト化、高精度化、自動無人化にはぜひ、現実化したいものである。 |


|